きれいごとではないこと
- spicearts
- 4月6日
- 読了時間: 4分
結婚というシステムがこれからどのように変わっていくかはわかりませんが、
このまま同じように機能することは、なかなかむずかしいだろうなと感じています。
とくに、「欲望と安定」。この相容れないものをどのように考えるのかは、けっこうタフな課題なんじゃないでしょうか。
どの年代でもですが、まだ体力があり、とくに結婚という「安定」の引き換えとしての「慣れ」がでてくるお年頃というのは、あやうい時期かもしれません。
じつは、欲望を理性でキリッと抑えられることができる人間というのが、そんなに多くはないことは、
かしこそうな高名な方々のスキャンダルをみてもおわかりだと思います。
「そんなことをするなんて、おバカなんじゃないの?」と言い放つのはカンタンですが、
強力なドラッグ並みの「欲望」にカンタンに負けてしまうのも人間です。
わたしたちのアタマの奥の方にある古い脳の部分が受けもつ根源的な「欲望」を、
新しめの「理性的」な脳の部分でどんなに抑え込もうとがんばっても、封じ込めることはなかなか難儀なようです。
この相容れない「欲望と安定」のどちらも取り入れたいという、先進的なカップルもいるかと思いますが、うまくいくためには、かなーーーり視座を高めにもつことが必要そうです。
なぜなら、これまた厄介な、「嫉妬」というパワフルな感情を乗りこなすことがとてもむずかしいからです。
「欲望」に引きずられると、時間をかけてコツコツと積み上げてきた、信頼に基づく夫婦や家庭という安定はくずれますし、
「安定」を守ろうとすると、強烈な快楽を得られるかもしれない欲望が満たされる機会を逃してしまいます。
どちらを大事にしたいのか、どちらをとったらいいのか。どっちもー!という声が聞こえてきそうですが、気のせいでしょうか?
人それぞれ価値観はちがいます。一緒に暮らすパートナーもよくよく話してみるとその辺りの価値観ぜんぜん違う可能性があります。
なんとなく多くの人が共有しているように見える、婚外の欲望の発露はよろしくないわよねという意見も、
案外自分の身に降り注いでみれば、
抗いがたい人間の本性に右往左往するということもありえますし、
認知は自分をかばうためにすっかり補正され、かつてよろしくないことだと思っていたことも、やりたいようにやる自分はヨシっ!という風にカンタンに変換されます。
よくきく、秘密にできるのならば、案外、夫婦関係によい影響を及ぼすのよという昔からあるこの言説も、
ますます、デジタルのおせっかい化が進むこの社会のなかでは、秘密にすることはとてもむずかしいですし、
バレたときには、デジタルに記録されていることで、強烈な記憶として脳裏に刻まれやすいという残酷さにも、心痛むところがあります。
これからまだまだどうしても、「欲望と安定」に戸惑う時代が続きそうですが、
では、自分はどうしたいのか、何を大切に生きていきたいのか、そしてパートナーとその考えを共有できているのかということが必要になってきます。
「欲望」は突然、訪れるかもしれませんが、
もしかしたら、万が一ですが、いままだ理性的な脳のかしこい部分がちゃんと機能しているうちに、
「人生で大切にしたい人」、「大切にしたいこと」、「進みたい方向」みたいなものを、考えておくことが長期的にみて自分の意図しない方向へ行くことを避ける唯一の方法かもしれません。
そんなことを決めたからといって、「欲望」を上手に自制できるとは、まったく言えませんし、
もしかしたら、破壊から何か大切なことが生まれるということもありますからね。
ただ、はっきりと言えることは、じぶんの「理性」というものが、いつでもコントロール可能だなんて、あんまり信用しすぎない方がいいですよーっという、ごく当たり前のことなのかもしれませんね。

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spice+arts やましたのぶこ
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