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ところ変わればカップル関係の作られ方は変わる

インドで暮らしはじめの頃、おしゃれってなんだろう? センスがいいってなんだろう?って、よく思ってた。

 

インドに住む前は、まだ子どもが小さくて、じぶんの中のナチュラリズム(ってコトバあるのかな?)が全盛だったので、天然素材バンザイ!オーガニックサイコー!と、アースなカラーやモノトーンをバサバサと着ることが多かったんだけれど、

 

そんな感じでインドに渡ったら、なんだろう、、、、わたし、しょぼけてる。


ビビッドな色を上手に組み合わせて着こなしている女性たちや、オレンジやピンクの植物群、ターメリックイエローのカレー群、派手なかみさま群など、色であふれている街で、わたしの服装が、煮しめたおでんみたいに見えてきた。


次第にインドでカラフルな服を買うようになり、日本では着なかったような、赤や黄色、ピンクも躊躇なく着るようになった。


それでも、随分、現地感覚からしたら、ひかえめだったと思いますけれども。


そんなことがあったから、日本に帰ってきて、誰かが誰かのセンスをどうのこうのと言ったりするのを聞くと、「ところ変わればセンス変わる」という言葉が頭をよぎるようになった。


そんな風に、どこかの国に長く住んだり、話す言葉が違ったりするとじぶんのキャラクターも変わるし、内面まで変わってくる。そして、カップル形成のよりどころとなる価値観もその国が放つメッセージを受け取りだすのかもしれない。


オーストリア出身の社会学者が日本人のセクシュアリティを考察した、


タイトルのラフさとはウラハラに、タフな内容とデータがしっかりつまっている、読み応えのある本です。


自国及びドイツ語圏の夫婦関係と日本人のそれとを比較しての考察や、違う国から見た日本人のセクシュアリティの分析など、日本人として日本に産まれ、日本人と結婚していると、当たり前に構築されすぎて気づきにくい、別の視点を授けてくれます。


わたしたちは個人、集団でどのようなセクシュアリティ、性規範、カップルフレームをつくってきたんだろうか。

そして、そこから、どのような文化的、社会的影響を受けて生きているんだろうか。


この国に住んでいる限り、社会が発する男、女、カップル、夫婦、家族へのメッセージを受け取って生きることは免れられないだろうけれども、でも、それってここの国にいるからの価値観だよねということを、たまには考えてみると、ふたりの関係にちがう風が吹くかもしれないな。


もし、違う国でふたりが暮らしたら、もし、性に関してポジティブな捉え方をする国に住んでいたとしたら、カップルの在り方はまったく違うものになっているんだろうなと思います。


長く付き合ってったら、そういうもんでしょ。や、夫婦だからそうしなければいけないんじゃないの。


という言葉を聞くたびに、それは私たちがつくっている日本という社会が発するどんなメッセージを受け止めてそういうことを言っているのかな。


と、そんなことを考えます。


インド帰国後、ひさしぶりに見たサクラも、うす味、地味、何がいいんだっけサクラって?という、なんともスパイシーな濃い口文化に目も心も慣れきってしまっていたんだよね。

またすぐに、うす口に慣れましたけどね。産まれた国への引き戻され方ってすごいものがあるんだね。



*今日のインド料理


カボチャのカレーとスーパーで売ってたマレーシア産の冷凍parota

parotaには、ちょっと甘いカレーをあわせるのが好き。ココナッツミルクたっぷりのカボチャのカレー。青チリの辛みとカルダモンとシナモンを効かせる。


spice+arts やましたのぶこ






 
 
 

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